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かすかべのステキ発見ひとマガジン(仮)

前髪を切るのが、好き。

何年か前に、肩下くらいまであった前髪をバッサリ切った。

切るまでに、似合わないかもとか、学生時代にぱっつん前髪にしていたらクレオパトラとあだ名をつけられたとか、そんな思い出に悩まされたけれど、そういえば子供の頃もぱっつんおかっぱだったと思い出し、勇気を出した。

短く切ったもののすぐに伸びるので、行きつけの美容室で切ってもらう。

ああ、すっきりして気分が良い。

そして、2~3日経ち、鏡の前で前髪を見つめると、なぜか無性に前髪を切りたくなるのだ。曲がらないように、チョキチョキ・・・。うん、なんだかいい感じ。そんなことを次に美容院に行くまで数回行う。

1~2か月後、美容室のイスに座ると「やっちゃいましたね(笑)」と言われてしまう。まっすぐ切ったはずのこだわりの前髪は、美容師さんの華麗なブラシさばき(?)であら不思議、ガタガタなのだ。自分でスタイリングする時に何かおかしいと思っていた謎がとける瞬間。

美容師さんによると、お客さんによってこだわりが違うらしい。全体の長さ、後ろのスタイリング、色、そして私のように前髪にこだわる人。

他の人にはあまり理解できないその人独自の“こだわり”は他の人から見ると少し奇異に映るかもしれない。

奇異なこだわりでピン!とくるのが、テニス好きな人は知っている、男子テニスランキング1位のラファエル・ナダルのこだわり。彼のこだわりで有名なものはいくつかある。

私が一番好きなのは、試合時ベンチに置く自分の飲み物のラベルを必ずコート側に向けるというもの。いわゆるゲン担ぎなのだと思う。

ある試合の時、風で倒れてしまったペットボトルを、コート内に居るナダル選手のために、ボールボーイがラベルをコート側に向けて置き直したことがあった。彼のこだわりをみんなが尊重しているという印象的なエピソード。ここまでくると、こだわりも美しいストーリーになる。

気付けば12月も半ば。年末が近づくと何だかせわしなくなるけれど、気分良く新年を迎えるために、数日前に美容院で前髪を切った。来年もマイペースでゆっくりと、自分らしくありたいという想いも込めて。

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