top of page

かすかべのステキ発見ひとマガジン(仮)

まちの景色が建築の先生


春日部,フリーペーパー,かすかべひと図鑑

春日部の今と未来をかたりあおう。

第二回の春日部IDOBATA会議。

今回はちょっと趣向を変えて、市外に住む建築家のお二人と"春日部さんぽ"してみました。

練馬区石神井に建築事務所を構える三浦さんと、川越に事務所を構える横関さんと共に、春日部のまちについてLet’s talk!

春日部,フリーペーパー,かすかべひと図鑑
 

―――お二人は同じ大学の建築学科の時からお知り合いですよね。どのようなきっかけで建築家を志したのですか? 三浦さん 建築に興味を持ったのは高校時代。建物ってたくさんの人に見られるし、長いスパンで残るっていうのが魅力的だなって。もともと小学校の頃から美術とかプラモデルが好きで、そういうのも根底にあると思います。でも、大学時代の教授が建築家で、その人との出会いが大きいかな。

春日部,フリーペーパー,かすかべひと図鑑

横関さん 僕も三浦君と同じで絵が好きだった。ただルーツとしては、子供の頃からやってた、まちをのぞいて歩くということかな。路地があると、スーッと吸い込まれていっちゃう子供だった。

三浦さん 川越のまちとかね。

横関さん うん。川越で育った影響があるかもしれない。建築の先生は誰?と聞かれたら、まちの景色ですね。日本でも海外に行っても、まちを見て「あ、あのディテールが良い」とか言いながらフラフラしてます。

―――今日もそんな感じでしたね。「あの戸袋は銅板だ」とか、「蔵の壁が大谷石だ」とか。細部まで見ていらっしいました。

横関さん 風景って、教えがいっぱいあるんですよね。 三浦さん 有名な建築家の作品を見るのも良いけど、まち歩きしてちょっと気になるというのがありますね。

―――まち歩きも設計のヒントになっているのですね。建物を設計する際に大切にしていることはありますか?

春日部,フリーペーパー,かすかべひと図鑑

横関さん 建て主さんの要望や家族構成から印象を受けて設計しますが、「そこに立ってどう感じるか」を大切にしています。例えばお子さんがたくさんいるなら、子供達が楽しく走り回る景色をイメージして、そのイメージに合う空間を先に作ってから、デザインを整理していきます。 三浦さん 最初は横関さんと一緒かな。建て主さんとの雑談の中にもヒントがあったり、そこから深読みしたり。あとは、土地全体を使って、外の空間と内側の空間をより一体的にしていきます。

ひとは財産。建築はひとの暮らしの背景にたまたまあるもの。

―――建築家として、まちづくりについてはどうお考えですか?

横関さん まちづくりって、みんなが模索していて、これっていう答えがないと思うんです。既存の商売をしている人が元気になって、自分達だけじゃなく周りの人も活気づいてきて、若い人もご高齢の方もたくさんいるっていうイメージが、今の春日部に近い気がします。

三浦さん 今日まち歩きしたけど、春日部のひとは気さくに話をしてくれて、これってなかなか貴重だと思うんですよ。

横関さん ひとが財産ですよね。この「ひと図鑑」はひとにクローズアップして、まちの魅力を表現しようとしているけど、今ある財産の利用法としても正しいと思う。建築がまちに何かを及ぼして、まちづくりをするというよりは、ひとの暮らしの背景にたまたま建築があれば良い。 三浦さん そうそう。ひとがもたらす作用が大切。 横関さん 何か建ててから、何かをするというのは違うと思うんです。

既存の建物だけで十分魅力的。でも「居る」場所がない。

―――春日部のまちを歩いた感想をお聞かせください。

横関さん 駅の東口改札を出てすぐ感じたのは、空が広いということ。空が広いのはアドバンテージ。 三浦さん まち中を歩いていてもそうだった。屋外でお茶ができるところがあったら良いよね。古利根川も良かった。他のまちは川に堤防があることが多いけど、春日部は川が近い。川場も近いし。

春日部,フリーペーパー,かすかべひと図鑑

横関さん 絵になる場所も多かった。 三浦さん 素敵な建物が一か所にまとまらず、点在しているのも良いですね。歩いて楽しめるし。それと、立派なお寺もあって、歴史があるまちだと思いました。

横関さん 既存の建物だけで、十分魅力的なものが揃っていると思います。今後それをどう活かしていくのか。でも、見る場所はたくさんあっても"居る"場所が無いと思いました。

―――そうかもしれません。

春日部,フリーペーパー,かすかべひと図鑑

横関さん たくさんのひとが春日部に来ているけど、観光や買い物ではなくて、ほとんどのひとが学校や通勤だと思うんです。ビジネスでも何でも、ひとを集めることが必要。それには目的がないと。その目的作りからしないと、建築いじっても仕方ないと思います。ひとにクローズアップして、ひとの心に火をつけるのはすごく良い。後は、その火がついたひとが何をしていくのかが大切なんだと思います。 ―――建築家目線で春日部を見つめなおしたら、普段はただ通り過ぎてしまうところにも魅力があるということと、春日部の可能性に気付けました。本日は本当にありがとうございました。

 

bottom of page